世界に1つしかない「よくある話」

昨日デートした子ですが、実は金曜日にWeHoで見かけてたんだよね。

めちゃくちゃ混んでたクラブの中で、パティオに立ってた彼女。
可愛いなって思って0.2秒くらいcheck outした。
声かけたいなって思ったけど、かけなかった。
多分酔っぱらいすぎてたし、他のことで忙しかったからね。

その同じ子が、土曜日、またWeHoにいた。

ダンスフロアで激しく踊ってた。

あ、また、あの子だ。

頭を振りたて、すこし攻撃的にみえるほど没頭して踊り狂ってる。

私は彼女のファンキーな動きを0.3秒だけcheck outした。

彼女は、私の知り合いの子たちと一緒にいたんだよね。4人くらい踊ってる中で、彼女だけ、私は知らなかった。

一緒にいたSofiaが「あれって、Joeの元カノだよ」とささやいた。

★ ★ ★

Sofiaとはかなり長い間知り合い。そもそもはJoeが2年前に紹介してくれた。だけどJoeとかSofiaってクラブとか来るタイプじゃなかったんだよね。いいヤツだし、頭もいいけど、ドレスアップしてクラブ行くような感じじゃないのよ。サーフィンとかサイクリングとか一緒にやるような仲間でさ。もしくは、Googleの新しいサービスとか、ユーザーインターフェースについて話し合うような感じの仲間だったからさ。私はJoeとかSofiaって好きだけど、クラブの中で一緒にいると、なんとなく変な気分がしてた。ノリがパーティのノリじゃないので、一緒にいてもテンションがあがらないんだよね。

最近…一ヶ月くらい前かな…RachelがSofiaを気に入ってデートすることになった。Rachelは結構Sofiaのことが好きで、私はキューピッド役のような感じで彼女達のためにデートをセッティングすることになった。

RachelとHonと私は全員シングルで、でも最近それに飽き飽きしてたから、お互いを助け合おう!ってことで、お互いのために女の子を紹介し合ったり、ナンパを手伝ったりというアライアンスを組んでいたのよね。

ちなみにHonの元カノも私が紹介したし、Claireの元カノも私が紹介したんだぞ~!結構友達同士助け合うっていうのは有効な手段なのよね。「ぶっちゃけ。どう?好きなの?」とか直接だと聞き辛いことを聞けるからね。

グループの中でも人気者のRachelが、地味なSofiaとデートしたいと言い出したことで、なんとなくSofiaの株はあがった。クラブにも来るようになった。うちらはいつも給食のおばさんみたいな格好をしているSofiaをからかった。2人のデートはうまくいかなかった。「私、Rachelには全然興味ない。悪いけど」Rachelがデートの時うきうきして新しいクッションを買ったり、どの店がいいと思う?って相談してきたのを知ってる私は胸が張り裂けるような想いだった。Rachelすっげーいいヤツなのに。Rachelすっげーすっげすっげーいい女なのに?あんなに優しくて可愛くて面白いのに。あんた、バカじゃないの?一生のチャンスを逃してるよ、ソフィア!私は心の中で叫んだ。

RachelはSofiaのことをそれでも好きっぽかったが、2人は友達になった。多分、今でも結構RachelはSofiaのことを気に入ってる。でも、Sofiaにその気はない。

★ ★ ★

ビーチ沿いを3人でサイクリングした。

マウンテンバイクでがしがし走るRachel。
本格的なロードレーサーですいすい進むSofia。
小さい車輪の折りたたみ式自転車でしゃこしゃこ漕ぐ私。

オレンジ色の夕陽をキラキラ照り返す海。夢みたいにドラマティックなグラデーションの空。キレイだった。私は景色に見とれてのろのろ運転だった。気がつくと取り残されていた。泣きそうになりながら2人に追いつくと、Rachelは心配してたよって言った。死んだかと思ったじゃん。まだゆうに伝え残したことが沢山あるから、どんなにあなたを愛してたかってね。心配したじゃん。ふざけて笑いながら言ってるのはわかったけど、胸がじんとした。風に吹かれてる彼女の金色の毛と、夕陽に照らされた真っ赤な横顔。私もあなたに伝えたい。どれだけ私があなたのことを愛しているかを。

太陽が沈み、たき火があちこちではじまった。Sofiaは写真撮ろうって言った。うちらはSofiaの携帯電話で写真を撮った。暗くなったビーチで撮ったうちらの写真は、顔がぼやけていて、笑っていることしかわからない。

★ ★ ★


「Sofiaさあ~、ゆうのこと好きなんじゃないの?」

ある日、WeHoからの帰り道、車の中でRachelが冗談まじりにそう言った。

私は一瞬黙った。

そうかもって思う時もあったからだ。

RachelとSofiaがデートしたあたりから、Sofiaは前よりずっとうちらと親しくなって、気づくとクラブにもへんてこな格好でよく現れるし、毎日のように電話してきたり、メールでもやりとりするようになった。クラブに着ていく洋服買いたいんだよね、と言うので、一緒に買い物をした。サスペンダー買いなよ。私は彼女のシャツのジッパーを少しあけた。この方がかっこいいよ。そんな風に仲良くなる中で、そこはかとない彼女の好意を感じるときは全くなかったといったら嘘になる。

でも、その考えは、あまり気に入らなかった。だから私は顔をしかめた。「それはないでしょ」

「私はそう思うけどな」

「たとえ…そうだとしても、私はSofiaに興味ないもん。うまくいかないよ」

「私も、うまくいかないと思う。でも多分Sofia見てて、そんな気がしたから、言っただけ」

私は頭を振った。

★ ★ ★

土曜日、クラブの中で私の後ろにいたSofiaが「あの子、Joeの元カノだよ」と言ってきた時、私は驚いた。まじ?正直少しがっかりした。せっかく新しい子だと思ったのに、また私の友達とつながってるのか…。しかもJoeなの?でもしかたない。それがLの世界の宿命だから。私は彼女に近よって挨拶した。「ハーイ!」

彼女は笑ってこたえた。ハーイ。私たちは見つめ合って微笑みあう。ああ、きた。またきた、この瞬間が。同じフロアにいるSofiaのこともRachelもVivもHelenaもPatriciaもLeahもHonも金太郎もNellyも全て消えて、音も消えて。この世界にはうちら2人しか存在しない、っていう気分になる瞬間が。酔いのせいだけではなく頭がクラクラして気が遠くなる。

それが、WeHoの道ばたでレズだらけの腕立て伏せ大会がはじまる50分前のことだった。
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