ナイフ(あるいは鍵)を渡すということ

人を好きになることは、

相手にナイフを手渡すことに似ている。
とても鋭いナイフ。
私の肉を簡単に切り裂くことのできるナイフ。

もしくは鍵を渡すことに似ている。
家の鍵
部屋の鍵
金庫の鍵。
とても大事なものが入っている箱を
開ける鍵。

誰かを好きになることは
その子に自分を傷つけることの出来る権利を与えること
それでいて、その子が自分のことを傷つけないだろうと
信じられること。

誰かを好きになることは、
恐ろしい。

誰かを本当に信じるのでなければ
誰かを好きになることはできない。

誰かをどこかで疑いながら
誰かを本当に好きになるということは
きっとない。

誰かをどこかで疑いながらでも
刺激的な会話や
セックスを楽しめるかもしれないけど

誰かを泣いてしまうくらい好きになるためには
その相手を信用しないとダメだ。

この子にナイフを渡しても大丈夫。
って思えるくらい
それくらい相手を信用すること。

それくらい相手を信用したい。

で、信用するためには
相手を知らなきゃダメだよ。

願望だけでは信用できない。

ビジネスだってバックグラウンドチェックをする。
恋愛もそれと一緒。

私は初めずっと懐疑的だった。

けっ。

っていう気持ちだった。


彼女のSNSで写真を見たときも。

はっ!
嘘くせえ。

って思ったし、真面目そうな外見や、人の良さそうな笑顔も、どこに嘘があるんだ?ってあら探しするように、見た。

どうせ、どうせ、どうせどこかにどんでん返しがあるんだろ。(今までいつもそうだったように)

って思った。

思ってる。

でも、さあ。

それはきっと向こうも同じ。

私たちは姿の見えない影に怯えている2人の弱い人間。

彼女が「ねえ…クラブとかで、誰とでもキスするの?」って聞いてきた時私はなんとこたえようか分からなくて一瞬肩をすくめた「時と場合によるかな」って言った。

彼女は続けた「私は…普通しない。でも…この前の夜は…違和感なかった。自然で嫌な感じ、しなかった」

私は少し驚いて彼女を見た。

私はその時に彼女もまた
私から傷つけられることを
恐れているんだと
理解した。

そうっすよ。
自分だけじゃない。

誰だって傷つくのが怖い。
彼女だって
彼女の心を切り裂くことのできる
鋭いナイフを持っていて
それを私に渡していいものかどうか
迷っているんだ。

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