ホモフォビアとお国柄

わたくしが、「プライド~♪」とかいって海辺ではしゃいでいた時に、地球の裏側、モスクワでは、ゲイパレードによる逮捕者が出ていたようです。

モスクワのゲイ・プライド・マーチ「スラヴィック・プライド09」で起こったことまとめ -みやきち日記
http://d.hatena.ne.jp/miyakichi/20090518/1242580199


先日ネットラジオでも、モスクワ市長のアンチゲイ発言を紹介しましたが、まさか本当にこんなことになるとは!国際反ホモフォビアの日の前日なのに、皮肉なことです。

で、「ロシアって、適正手続きとか保障されてなさそうだし、逮捕されたら大変だな~」とは思ったのだが、こういう分かりやすいホモフォビアとか弾圧があるっていうのは、ある意味、30数年前のアメリカ(警察がゲイバーを弾圧したりしていた)とかと共通してるわけです。だから、それに対する対抗運動も分かりやすく、もしかして数十年したら、劇的に状況が変わる可能性もあるかもしれない。

先日もNY在住の読者さんから「男同士で手をつないでたらゲイだと思われてタコ殴りにされた」というニュースを教えて頂きましたが、アメリカも同性婚がどんどん認められたりで、進んでいるようだけど、ホモフォビックなところはガチガチホモフォビックなんだよね。極端なんだ。

日本だってもちろん、新木場事件(ゲイが殺された事件)とかあるにはありますが、あくまで日本の主流なホモフォビアは、暴力的というより、もっとこう、じわじわ真綿で首を絞めるような形である。わかりやすい形ではなかなかみえない。けど、別にだからといってホモフォビアがないわけじゃまったくないわけで。

むしろ、“過激”で“見えやすい”ホモフォビアが少ないからこそ、面と向かって「ホモフォビア反対!」とか言い辛いところもあるんじゃないかと思った。もちろん暴力によるホモフォビアはないのが一番だけどね。見えない敵と戦う!みたいなやり辛さが日本の場合はあるような気がした。

日本のホモフォビアの形として、何かいい例がないかな~と思ったんだけど、面白いやりとりを見つけたので紹介。映画としての「ミルク」はとりあえず評価しているけど、ミルクの訴えたかったことは全然伝わってないらしきレビュアーが、ゲイへの嫌悪を丸出しにしてそこそこ共感を得ていとあるレビューサイトでのやりとり。

映画「ミルク」レビュー 私はゲイが嫌いだ
http://www.eigaseikatu.com/imp/25358/513766/

これ、日本でのホモフォビアの一つの典型だと思った。人が、「映画は評価しますが。個人的にはホモは嫌いです」と言い切ることが、社会的に恥ずかしくない、というかなんとなく許されてしまう。これってばりばりホモフォビアだよね。こういうタイプのホモフォビアは、たぶん「ホモフォビア反対!」って叫んでなくなるもんじゃない。

反対運動!やデモ更新のような「力には力を」方式での対抗って西欧型のホモフォビアには効果があるかもしれないけど、日本では無意味な気がする。じゃあ日本はどうすればいいのか?さあねえ。ネット上でいちいち戦うのは、(先ほどのエントリでもちょっと書いたが)無意味だし、疲れるし。

やっぱり人が一人一人周りの人間にカムアウトしていくことが、遠回りなようで一番近いと思う。


CNN poll: Generations disagree on same-sex marriage - CNN が先月アメリカで行なった調査で、同性婚についての意見分布がその人の世代と、知り合いに同性愛者がいるかどうかを反映していることが明らかになった。

同性婚に関する全米意識調査 -壊れる前に…
http://eunheui.cocolog-nifty.com/blog/2009/05/post-b86f.html



アメリカでの世論調査の結果だけど。結局自分の身近に同性愛者がいる人ほど同性婚に賛成率が高いらしい。この結果はとても参考になる。実際カリフォルニアのProp8で同性婚が禁止されたあと、ニューヨークのアクティビストたちは「3人に語れ!Tell 3」というサイトを立ち上げ自分たちの周りの人間一人一人に語りかけることで世界を変えようとしている。個人的に日本で「アンチホモフォビア」運動やるなら、一番有効だと思ってるのはこれ。もちろんそれをサポートする材料とかサポート体制は必要だけどね。

少し話がずれました。ともかく、このモスクワの騒ぎ。早くおさまってほしい。動画を見ると、その激しさに驚きます。本当に同性愛ってだけで逮捕とかされちゃうんだ???ってちょっと信じられない感じです。遠くにいる同士たち、負けないでほしい。そのために何ができるのか?アメリカではあまり報道されていない気がします。少なくともいつもゲイ系のアンテナを張っているゲイ仲間は全然知らないようだった。(私も恥ずかしながらみやきちさんの日記で初めて知りました)なのでこういう事件が起こっていることを少しでも広めたい。

今回の事件で、自分はゲイプライドが平和に大々的に楽しく行われる都市に住んでいるのは、とても幸運なのだ!と改めて思い知らされた。

けれど、この「モスクワ問題」は「どっかの国で誰かに起きてる人権侵害」として片付けたくない。この問題の根底にある「ホモフォビア」は、世界のどの街でも、どのコミュニティでも、自分たちの問題として関連づけしうる問題。わたしの街でもそうだし、あなたの街でもきっとそうだろう。だから、「うひゃー。こえー。ロシア、大変だね」で終わらず、是非考えてほしい。私も考える。
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comment

初めてコメントします。
ひよこですがコメントさせていただきます。

あまりに「ミルク」のレビューが強烈で、ハンマーで殴られたような衝撃を受けました。

そこそこ快適に暮らしているので、でもそれは単に自分がホモフォビアな世界に"意図的"に近づいてないだけなんだ、と思い知りました。こんなに嫌われた時、私はどうすればいいんだろう?

衝撃が去った後、考えました。
結論なんて出ません。が、結局同じ土俵で戦ってもダメなんだろうなと。それだけは思いました。

そして身近な人に「いやいや、普通なんよ。楽しく生きてるんよ」って言っていくのが結局は近道なんだと、改めて思いました。

どうしていったらいいのか?
すごく考えさせられましたし、これからも考えていくと思います。

記事を読んで良かった。ありがとうございました。
  • 2009/05/19
  • haru
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こんにちは
はじめまして。

ロシアで同性婚を申請したカップルも受理されませんでした。

でも、個人でこのような事をする人が増えたらいずれ認められる日が来るのかなとも思いました。

啓発活動としてパレードなどで大きく活動する事も必要ですが、個人で顔を見せる必要もあると思います。

メディアに取り上げられると沢山の人の目には触れますが「ふ~んそういう人もいるのね」的な感じであまり身近に捉えてもらえない気がして・・・。(特にノンケの方達には。)

なので本当に身近にいるんだという事を知ってもらう為には、受理されないと分かっていても婚姻届を出してみるなり(もちろん相手があっての事ですが)、自分が周りに伝えるなりしていかないとなぁと思っています。(あくまで私の個人的意見で人にカミングアウトを強制しようとは思っていません。)

ちなみに私は家族、友人などには言っていますが会社には言えていないです。
  • 2009/05/20
  • まき
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