オバマは口だけなのか? -Don't Ask, Don't Tellは当分健在の見通し-

Don't Ask, Don't Tellは、同性婚と並び、アメリカで同性愛を語る上で欠かせない、常に論議を呼ぶ話題である。

このポリシーは、軍隊において、「セクシャリティを聞いてもダメ、言ってもダメ」というもの。もっと分かりやすく言うと、「軍隊の中ではゲイであることは隠しておけ」というものであり、もしもゲイであることを公言したり、明らかにゲイであることが分かる行動をとると、除隊されてしまうのだ。仕事をクビになるのと同じだ。

Lの世界を見た人なら、ターシャがこのポリシーのために調査を受け、審問を受けていたことを思い出すだろう。

今回、Don't Ask, Don't Tellにて、空軍のヒーローとも呼ぶべき人物が除隊された。彼の輝かしい戦歴、あと2年で年金がもらえて引退できたというところでの除隊、そして、多分また彼がハンサムで、非常に好感のもてる人物であること、選挙時はDon't Ask, Don't Tellを廃止するという意向を表明していたオバマ大統領がこれを放置しているということへの批判などで、今アメリカは盛り上がっている。

今回除隊されたビクター・フェーンバック大佐中尉(Victor Fehrenbach)のインタビュー。



3:23くらいから本人登場。かなりテレビ映えする魅力的な人物です。彼は18年間空軍につとめ、イラク、アフガニスタンなどで活躍してきた。88以上の軍事作戦に参加し、同時多発テロの後には、ワシントンDCの警備の為に選抜された。数々のメダルによって表彰され、その一つはヒロイズム(よく知らないが、なんかすごいものらしい)である。はっきりいって、彼は空軍の英雄だ。それなのに、クビになった。ゲイっていうだけで!?

オバマ大統領は、選挙の時に、Don't Ask, Don't Tellを廃止するという公約を掲げていた。だが、実際には就任後、彼はDon't Ask, Don't Tellについては何もアクションを起こしていない(それどころかホワイトハウスの公式ウェブサイトから、ゲイに関する公約をごっそり削除という行動を取っている!どうなってんの?)

ちなみに、

変更前


Repeal Don't Ask-Don't Tell:

President Obama agrees with former Chairman of the Joint Chiefs of Staff John Shalikashvili and other military experts that we need to repeal the "don't ask, don't tell" policy. The key test for military service should be patriotism, a sense of duty, and a willingness to serve. Discrimination should be prohibited. The U.S. government has spent millions of dollars replacing troops kicked out of the military because of their sexual orientation. Additionally, more than 300 language experts have been fired under this policy, including more than 50 who are fluent in Arabic. The President will work with military leaders to repeal the current policy and ensure it helps accomplish our national defense goals.



変更後

"[President Obama] supports changing Don't Ask Don't Tell in a sensible way that strengthens our armed forces and our national security…"



repeal(廃止)がchanging Don't Ask Don't Tell in a sensible(賢いやり方で変更する)に変わっています。全体的に費やされてる言葉の量もばっさりと減っている。(参考

Don't Ask Don't Tell のおかげでクビになったのは、フェーンバックだけではない。多くの優れた軍人がクビになっている。だが、軍事行動における最終責任者である大統領は、「アメリカを守った英雄」がクビを切られるのを黙ってみているだけだ。(上の動画の前半では、ペンタゴン広報官が『Don't Ask, Don't Tellを廃止する予定はない』と明言している!)

オバマ大統領は、確かに同性愛について非常に微妙な立場を取ってきた。

「同性婚には明確に反対。シビルユニオンには賛成」←これはマケイン陣営と全く同じ立場であった。

だが、同時に、オバマは、一度認められた同性婚の禁止にも反対するという趣旨のことを発言したため、Prop 8キャンペーンの時は、同性婚反対派、同性婚賛成派両陣営によってオバマの肖像や、オバマの発言が引用されるというありさまだった。そしてオバマは自分の発言や写真が「同性婚反対」陣営によって使われることに対して異議を唱えたりすることもまたしなかった。

オバマの本来の支持母体はかなりリベラルだと思われるが、大統領の地位を手に入れたオバマが今後国民の支持を保ち、そして議会で多数派をてなづけていくためには、リベラルを貫くことはできない。あからさまにリベラルを貫いて成功する大統領は稀であり、ほとんどの「リベラル」な大統領も、実は中道よりに舵取りをすることによって政局のバランスを保っている。オバマもそれを分かっているので、同性婚賛成とは決して発言しないし、Don't Ask, Don't Tellポリシーやその運用についても大幅な変更を加えようとしないのである。確かに、仮にそうすることによって彼が決定的に失うものは大きい。だが、同時に、そういう態度を続けることによって、彼を当選に導いたリベラル層の落胆が大きくなっていることにも気づくべきだ。
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