1年前までオバマを知らなかった政治オンチの私が通りますよ

このブログを昔から読んでくださっている皆様なら、私がもともと政治に大して興味がなかったことはご存知でしょう。
まあ、ジェンダースタディーズとか、フェミニズムとか好きだし、本を読んだりはしていたが、実際に何かアクション起こすかというと「別に…(shrug)」という感じだった。アメリカは「Social Justice(社会正義)に興味ある」っていう人が、多分日本より多くて、動物愛護とか、環境保護とか、移民排斥反対とかやたらと運動が盛んなのだが、私はそういうのも、見てるだけだった。リサイクルとか、箸を持ち歩いたりも「気が向いたらする」程度だった。

ところが去年の最高裁判決→Prop 8でのその権利の剥奪以来、本当に自分の中で何かが変わった。

一応投票日前にもちょっとした運動をしている人たちはいたが私はそれほどアクティブではなかった。
だが、Prop 8が通った時の怒りと悲しみと衝撃。
そしてそれに対するストレートな抗議の意を表すことを恐れない友人たち。
Rallyという形で集まる何千人という群衆を見て、彼らの声を聞き、彼らの掲げる看板を見ていくうちに、何かが胸の中ではじけるのを感じた。

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「ああー黙って待ってちゃだめなんだな。黙って大人しくしてても、誰かが私の気持ちと利益を代弁してくれるだろう、っていうのは嘘。多数派って、ほっておいたら、少数派の権利を奪いかねないんだ」って。実感した。「沈黙は死」だと。

ロビン・タイラーがよく「力は与えられるのではない、つかみ取るのだ!」って言っている。そういうのに影響を受けて、私もよちよちあるきながら、ようやく「Social Justiceに興味を持つカリフォルニアン」になりはじめたのかなあ~って感じだ。

「ゲイの団体です」って言っても、その実色々。

女性性に注目したものから、有色人種という切り口で集まってるもの、より狭く「アジア」を切り口にしてるもの、ドメスティック・バイオレンスを切り口に集まってるもの、ジェンダー表現の自由を一番に掲げるもの、 メディアで表されるホモフォビック/トランスフォビックな表現などに注目しているもの…。その団体が何を目的にしてて、実際自分のリソースが何に使われているものか今まで全然関心を払ってなかったけど、最近興味を持ってみてる。各団体の掲げているミッションとか、彼らの推進している法案にも興味を持っていていろいろ見てる。例えば、囚人の取り扱いを定める法律ところに性的指向に基づく配慮の文言を入れようとしたり、国際カップルに移民豊穣の権利を与える法律だったり、いろいろやってるんだな、同性婚だけじゃないわなあーって←ごめん、当たり前だよね。

例えば、以前紹介した、連邦レベルでProp8の裁判をやってる団体は、実際には一部の弁護士が私利私欲のためにやってるだけじゃないかとか(参考記事:同性婚論争を連邦裁判所に持ち込んだ弁護士の私利私欲)、全国レベルで最大の規模を誇る団体Human Resource Campaign(HRC) は『トランスジェンダーを保護対象から外すので法案を指示してくれ』的なロビイングをしていたとか…(macskaさん情報ありがとうございます)。まあ、今はHRCの方針も撤回され、ミッション・ステイトメントにもばっちりトランスジェンダーの権利を明記しているが、それでも、今も下手するとトランスを切り捨てようとする姿勢は変わっておらず、「金持ち白人ゲイ男性中心的である」といって批判されたりしているようだ。(彼らが作ったLGBTに優しい企業っていうのに、改めてトランス団体がコンタクトしたら、実体は全然違ったりしたケースがあったらしい) むずかしい…。

あと企業にしてもそう。例えば、前スターバックスがゲイフレンドリー(HRCのスコアで100)という話を紹介したら、スターバックスは、イスラエル支援企業として、ボイコット運動が起こっていることを指摘された。(他にはマクドナルド、マイクロソフト、インテル、コカコーラ、ディズニー、IBMなどが挙げられている)また、アメリカでよく見かけるシェブロンという石油会社は、同じくHRCのスコアは満点で、プライドイベントにもブースを出すなどしてスポンサリングしている非常にゲイフレンドリーな石油会社。(今日も大々的なブースを出していた)だが、彼らは外国などで汚染物質を垂れ流すなど非常に批判されている

こういうのを見ると、純粋に「ゲイ・フレンドリー」だけで世の中を見ることはできないよなーって感じる。あ、あたりまえ?だ、だよねっ!

★ ★ ★

とりあえず自分に興味ある「Social Justice」ネタを挙げてみた。まだひよこアクティビストなので、勉強不足でつっこみどころ満載かもしれんが、まあ暖かく見守ってくれ!特に移民ネタとか、教育ネタはよくわかってないけど、なんとなく興味ある程度です。

性的マイノリティ これは絶対はずせん。正直自分も今までは同性婚についてばっかり注目してきたが、必ずしも同性婚でなくてもいい。例えば性的指向を理由として解雇することの禁止とか。そういう差別禁止法/ポリシーとか大事だよなー!?あと、トランスジェンダーとかバイセクシャルとかそういうのも含めた性的マイノリティの地位向上に興味がある。トランスジェンダーについては個人的にいろいろあって、今まで一度もブログで書いたことはありませんが結構いっぱい考えてきました。自分はトランスジェンダーと同性愛と無理矢理二つに分けると同性愛的な問題意識の方に親しみがありますが、トランスジェンダーの問題を確信犯的に切り捨ててまで、同性愛の権利推進はしたくない。なので上で紹介したHRCを初め、アメリカのロビイストたちが確信犯的にトランスジェンダーを切り捨てた戦略を取ってきた歴史があるというのには心底がっかりしました。ゲイの問題とトランスの問題は違うっていうのは理解するけどね。きっぱり分けすぎて、「どっちかだけでいい」というのは賛同しかねる。あと、特にTSに対する医療面や法的制度の整備はもちろんだが、もっと普通に、トランスジェンダー的なままで生きやすくしよう!みたいなのには非常に興味あり。日本で言うなら、性同一性障害という“病気”の理解を進め、治療への道筋を広げる、とかっていうのはもちろん大事なのだが、それとは別に、そういう病気とは関係なく、なんか中性的だったりする人が生きやすい社会とか、いちいち「あの人男?女?」って気にしないですむっていうのかなーそういうのが自分には一番興味ある。

フェミニズム これも絶対はずせん!今まで女として社会で生きてきて、いろいろしんどいとかめんどくせーこともあったがフェミニズムにずいぶん助けられた。まあ、全然詳しくはないが…。だからゲイリブ団体でも、超、男性中心主義なところはやっぱり嫌だなあ。

教育 法律も大事だけど、教育も大事。教育とか若者とかそういう人たちに働きかけるプログラムは大事。

メディア 私がいつもお世話になっているパブリックメディアを支援したい。メディアは何の問題に対しても生命線だから。

ヘルスケア 日本からアメリカにきて、アメリカのヘルスケアがあまりにしょぼいのに驚きました。保険高いです!しかも役に立ちません!年間の予算あっという間に越えます。歯を一本治療したら2000ドルかかりました!検査で数百ドルかかりました!もし重大な病気にかかったらやっていけるか心配です。

移民問題 自分自身が移民だし、アメリカは移民で成り立っている国なのだから、移民に対する不当な処置には反対。Legalize LA!

人種問題(特にアジア系) 上に書いた移民とアジア系って意外と違うんだよね。自分自身が移民じゃなくても、アジア系の人が集まっていろいろやってる団体ってあるんだよ。アジア系の存在感をあげよう!とか。「アジア系のステロタイプにノー!」みたいなパフォーマンスもよくある。だが、私はどっちかというとアジア系というよりも、FOB(Fresh off the boat=ボートから降り立て=新米移民を揶揄的に表すスラング。アジア系がよく使う)としてのアイデンティティの方が強く、アメリカ生まれ、アメリカ育ちで、ばりばりWhite Washedな“日系”アメリカ人よりも、移民したてで、片言英語で頑張っているラティーノ達とかコリアンのFOBちっくな新移民の方が身近に感じるし、実際友達も多い。

面白いのは、日系アメリカ人は、自らのことを日系アメリカ人というより、シンプルに「日本人である」とアイデンティファイしていること。チャイニーズアメリカンは、自分のことを「中国人」だというし、コリアンアメリカンは、「韓国人」だという。面白い。だから私が日本人だというと、「まじで?アタシも日本人!」といって近づいて来るのだが、実際には日本人だからといって共通点は名字以外はなにもなく(相手は完全にアメリカ人だからね)。むしろ外国暮らしをしたことがあって、非母国語でのコミュニケーションの大変さを経験している非アジア人とかの方がよっぽど話があう。

また、“アジア系”アメリカ人は、アジアという自分のルーツには誇りを持っているものの、FOB(新米移民)的に見られるのは堪え難いらしく、よく「私はアメリカ人ですが何か?」的な主張を繰り広げたりする。「アジア人だからってすぐ、寿司好き?とか、Where are you from? I mean, originally?とか、ニーハオ!コニチワ!とかルーシー・リューってホットだよね!とか言うんじゃねーよ。アタシは、アジア人じゃなくてアメリカ人なんだよばーか」みたいな。これはすごく理解できるし、アジア系ステロタイプをあてはめられるのに相当うんざりしてるんだろうな~とも思う。が、実際FOBである私は「I am originally from Japan!」って言えちゃうし、寿司好きだし、コニチワ!って言われたら、嬉しくなって「アリガト」って言えちゃうからねえ…(汗)ただ、まあそういうオリエンタリズム的な視線を向けるんじゃねーよ!みたいな申し立ては面白いとは思う。


Yellow Rage

あと、人種問題ということでいうと、実際黒人については差別的な法律とかはなくなったが、今も黒人が完全に平等な立場にあるとは思われていない。これについては黒人でレズビアンのアクティビスト/ライターJasmyne Cannickが以前から痛烈な批判をしていて、Prop 8反対運動やプライドフェスティバルを含むゲイリブがいかに白人中心的で、黒人のゲイ当事者からみるとダメかについて批判している。今年はLA Prideにも参加しない!と宣言してました。こういう主張は非常に面白いし、ゲイリブはこのような批判に、しっかり耳を傾けなければいけないと思う。ジャスミンは黒人の立場からゲイリブを批判するが、じゃあアジア人っていうのは、この構図でどこに位置するのか?差別されているのか?差別する立場にあるのか?まだよくわかってないんだけど、今人種問題に非常に興味ある。自分の国籍や民族性については、日本にいた時は恐ろしいほど無自覚であったが、アメリカにきて初めて、民族や人種についてかなり考えさせられるようになった。ここについてはゲイリブネタと絡めて結構書きたいネタがあるので今度詳しく書きます。

★ ★ ★

ま、ここらへんが主に一番ディープに興味あるところです。結局自分に関係あるものばっかりだわな(汗)あくまで個人にとっての興味ってだけで、ここにあげられてないものが重要じゃないっつってるわけじゃないのであしからず。

今はとりあえず、同性愛についての団体で、フェミニズムや移民問題に対してもアクティブなところを探して、いろいろ学んでいこうと思っていますが、とりあえず、次の住民投票でProp 8をRepealできるような活動もやっていくつもりです。

というわけで、今までやったことがないCanvassingとかPhone Bankingに近々デビューします!前回も書いたけど、こうやってブログをただ単に書くのと、実際誰かに話しかけて何かをお願いするのって全然違うって最近実感しているところ。恥ずかしがりやの私がどこまでCanvassingを出来るのか?感想は書くのでお楽しみに。

ぶっちゃけ、カリフォルニアのドメスティックパートナー・シップは、ほぼ婚姻といって差し支えない程度まで権利が保障されてて、カリフォルニアで同性婚が実現しようがしまいが、どっちでもいいーっつーか、私個人的はなんの影響も受けないのですが(爆)とにかく何かやってみることでいろいろ学べることがあると思うので、何かやってみようと思う。あと、単に歴史的瞬間に関わりたいっていう動機もある。

★ ★ ★

もちろん、他にもいっぱい興味あることはある。例えば、DVとか性暴力サバイバーの支援とか、日本の移民問題とか、核兵器根絶とか、パレスチナとか、アフリカの貧困とか、ドラッグ規制とか、ポルノ規制とか、動物の権利とか、戸籍制度とか、夫婦別姓とか…だが、今現在の自分にとってのプライオリティを反映してか、ほとんど知識がないし、何か書ける状況でもない(汗)逆に下手なこと書いたら怒られそうだ。ちなみに、大学時代は、障害者のケアのボランティアをやっていたが(知的障害の子供むけのものと、車椅子の大人むけのものと二種類)今は離れてしまっている。もちろん、どうでもいいと思ってはいるわけじゃなくて、例えば眼の前で誰かに寄付を迫られたら寄付するかもしれない。お金ですむならば。でも、寄付以外に何かするとしたら、やっぱり勉強するなり、なんなり、それなりにコミットメントが必要。だが、環境に強制されないと、自分から自主的に動こう!とはなかなか思えてないわけで(汗)やっぱり自分は卑小で自己中心的な人間であって、自分にダイレクトに関わってくるものに対して、一番強い意識を持ってるんだなーと上のリスティングを作ってみて思った。あは!

でも、まあ…世界中の誰もが、自分にとって切実な問題について訴えているんだと思うし、それでいいと思うんだ。最近、私も同性愛の問題についてつきつめて考えていくと、絶対同性愛以外の社会問題もつながってくるってことを痛感してて、いろいろな本とかウェブサイトを見ていかに自分が不勉強であったか、改めて認識しているところ。私自身にとって一番興味あるのが「アンチホモフォビア!アンチへテロセクシズム!」であるところに変わりはないけど。いろいろな人たちの声を聞きながら、考え続けていきたいと思う。その思考の冒険については、ここで書いていくのでよろしく。
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はじめまして
他ブログ様で紹介されていて、ここにたどり着きました。
「異性愛者への12の質問」や、それにまつわる議論を拝見したとき、私自身の問題やセクシャリティのことから、ゆうさんの意見に中途半端に同調したり反発したりして、議論自体に馴染めず、「疎外感」のようなものを感じてしまいました。
しかし今回のブログを読んで、私の「早とちり」だったのだなぁ、と反省してます(汗)
トランスジェンダーやバイセクシュアルの地位向上とか、明確に男女を分ける必要があるのかということに関心を持っていらしたようで、私としてはゆうさんの言葉を嬉しく思っちゃいました!
ゆうさんのブログを断片的に読んだだけで、ゆうさん自身を「こーいう人なんだ」と決め付けてしまった自分が恥ずかしいです(汗)
厚かましくも勝手に懺悔のコメントを入れさせて頂きました。今後もブログを楽しみにしてます!
  • 2009/06/17
  • トモ
  • URL
トモさんこんにちは。

蛍さんのところでもコメントしましたがこちらでも。

トランス関係や、バイセクシャルについては、昔から興味はありますが、やはり考えが足りない部分や、無意識に抑圧的になってしまっている部分もあるだろうなあ…と思っています。

ネットやリアルでの周りの友人などに教えられて日々考えている状況です。トモさんも何かお気づきの点があったら是非教えてください。

これからもよろしくお願い致します。
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