ブログとか日記を書くこと

昨日『アンネの日記』を読んでいた。

私は日記文学が好きだ。

アンネの日記アナイス・ニンの日記 1931~34―ヘンリー・ミラーとパリで (ちくま文庫)二十歳の原点 (新潮文庫)

アンネ・フランクや高野悦子とは生きている時代も、おかれているシチュエーションも違う。
でも、彼らの日記が他人ごととは思えない時がある。

正直に書かれた言葉たちは、グイグイ胸の中に入り込んでくる。
鋭くて、純粋で…。
世間知らずで恥ずかしいところとか、「おいおい」「やめてええー」ってつっこみたくなるところも含めて、目が離せない。

「これは自分だーしかも自分が今まで目を背けていた自分だ!」って思ったりする。

もちろん、冷静な大人になってしまった私は思う。
それは、多分思い込みだってね。

別に私と彼女たちの間に、客観的な類似点なんてほとんどなくて。
きっと多くの人に「これは自分だ」って幻想を抱かせる力があるからこそ、これらの作品は支持を集め、今日まで読み継がれてきたのだろう。って。

でも、この世の中に掃いて捨てるほど作品がある中で、私が「これは自分だ」って思ってrelateできる作品はそんなにない。だから、やっぱり私は、これらの作品が好きなんだよね。別に起承転結もストーリーもない、膨大な量の「日記」が。

んで、私は人のブログを読むのが好きなのだが、ブログも、やっぱり、読み物として完成度の高い軽妙なエッセイ風のものよりも、王様の耳はロバの耳風に、「秘密を吐き出す」みたいな芸風のものの方が好きだ。

だから、皆もっと、ドロドロしたところ、全部書けばいいのに~て思っていた。

大好きで可愛い恋人と愛し合っててラブラブで、絶好調で、明るい将来の計画も一緒にたててて、私たち幸せなんです♪うふふ♪的なのじゃなくて、もっと、こう暗くてダークなの。別れたいとか、浮気したいとか、貧乏で苦しいとか、なりたい自分像からかけはなれてて死にたいとか、元カノストーカーしちゃうとか、仕事が見つからないとか、彼女に言えない秘密があるとか、違法行為してるとか、そういうこと書いてくれた方が、よっぽど読んでて面白いのに~!って。

でも、そういうのって、やっぱり誰にも読まれていない「日記帳」だから書けることなんだろう。

リアルタイムで公開されていき、リアルタイムでフィードバックが得られるブログやTwitter、ましてや、最近はやりの、人間関係と紐付けされたソーシャルネットワーク上において、こういう「王様の耳」風のことはなかなか書けない。

あの寓話で、理容師が思う存分「王様の耳はロバの耳!」と叫ぶことができたのは、誰にも聞かれていないと思っていたからだ。もしも、それが、街中の人に聞かれているとか、ましてや王様自身がすぐ側で耳を傾けていると知ったら、もう、正直な思いを叫ぶことはできなかっただろう。

素性を隠して書かれている「匿名ブログ」の面白さはそこにある。自分を知っている人が誰も読んでいない、少なくとも、書き手がそう信じこむことができる環境においては、人は「日記帳」に対するのと同じくらいリラックスした態度で、言葉を綴っていくことができる。

もちろん、ネットに公開で書いているのだから、「誰かに見られている」という意識はあるだろう。でも、それは、自分にとってはまるで架空の人物と同じようなもの--例えば日記帳につけた人格--みたいなものであって、実際には、そんな通りすがりの誰かに見られたからって、別にどうということはない。いちいちコメントがついてレスポンスを要求されたりしない限り、書き手は誰かに読まれてるということを意識したりせず、自由に書きたいことを書けるだろう。でも自分が親しい誰か--日々交流して、人間的な関係を持ち、もしかして、彼ら自身が、日記においての登場人物でもあるようなそんな親しい誰かに常に見られていると意識した瞬間に、言葉は何もでなくなる。

自分は素直に書けているだろうか?
自分の書いた文章を、10年後読み返した時に、「あの頃はこんなことを思っていたのか」って思い出せるくらい、
今書いてるこの文章に、今の自分を素直に表すことができているだろうか?

いつからかかなあ?
人の目を気にしすぎて、ブログを書けなくなってきていた。
昔は、毎日必ずブログを書くことが日課だったのに、最近では一ヶ月以上何も書けないこともあった。
(Twitterのせいっていうのもあるけどね!)

でも、人は絶え間なく変化していくし、
昨日書けたことが今日書けなくなってるっていうことが、ある。

あえて、誰に読まれてるとかそういうことを、一旦全て忘れて、
書けることは書いておこうって思うようになった。
今書いていることは今しか書けないこと。

まあ、やっぱり全部を書くっていうことはできないけどね。
でもできるだけ書こうと思った。
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