「出身どこ~?」みたいな単純な質問が与えるストレスについて

「Where are you from?」と聞かれて戸惑う軍人の家族についての記事を読み、興味深かったのでご紹介。

Where are you from?というのは、文字通りにとると「どこから来たの?」という意味。しかし、一般的にはこれは「"Where were you born and raised?(どこで生まれた?そして、どこで育った?)という二つの質問のコンビネーションであり、多くの人にとっては「どこ出身?」という単純な質問として、初対面のスモールトークの時によく使われるものである。
軍人は、各地の基地を異動しつづけるため、その家族も引越しを繰り返す。「ミリタリー・ブラット(Military BRAT)」と呼ばれる軍人の子どもたちは、頻繁な引越しのためで、Where are you from?と聞かれても、一つの地名を出せないことが多い。

移動し続けて育った子どもは、Where are you from?という質問の「from」の意味がわからなくて、その質問に対してどう答えていいかわからないことがほとんどだというのだ。

ティーンエイジャーになると、彼らも質問の意味するところを理解して、答えようと試みるが、そこでも、相手を混乱させないように答えることは難しい。正直に答えても理解してもらえるかわからないし、変な顔をされたり、次から次へと新しい質問を生んでしまうかもしれない。

例えば、沖縄で生まれ、ドイツ育ちでまた沖縄に戻ってきた、というような軍隊の子どもに対して、「アメリカ人なのに、アメリカ人じゃないの?」というような顔をしたり。「英語が上手だね」とか「日本人に見えないね」とかそういう質問を受けたりしなければいけない。そういう無神経さに常に付き合わされていちいちいちいち説明し続けなきゃいけないということは、軍隊家庭育ちの人にとってはすごくストレス溜まることなんだという。

この記事では、様々な軍隊家庭育ちの人たちにアンケートをとり、彼らの生の声を紹介した上で、以下の様に提案をしている。

軍隊家庭で育った人に対しては(その年齢を問わず)「どこ出身ですか?」と聞かず、「どちらにお住まいですか?」と尋ねる方がよい。

・質問への答えがなんであれ、受け止めること。「地球」とか「どこでもない」とか「どこでも」とかそんな答えがきたとしても、それが答えだと思うこと。もしもそこがその人本人(またはその人の両親)が生まれた土地じゃなかったり、最近住んだ場所じゃなかったりしても)、「いやいや“本当は”どこなの?」なんていって、彼らの答えを否定して“本当の答え”を探しもとめないこと。

・答えが来たならば、そこで会話を止めること。もっと詳しく会話を続けるかどうかは、本人に任せよう。

・自分の表情に気をつけよう。

私は軍隊家庭で育った人間ではないし、引越しを繰り返して育ったわけでもない。しかし、この記事を面白く読んだ。

なぜなら、「Where are you from?(どこから来たの?)」とか「What are you?(何人?)」という質問に対して戸惑ったり、自分のバックグラウンドについて単純な答えを想定している人に対する説明に困ったり、うんざりしたりすることが多いという点では移民をした人や混血の人にとっても共通だと思ったから。

私も最近では、アメリカを旅行していて「Where are you from?(どこから来たの?)」と言われると、日本といっていいのか、それともLAと言うべきなのか悩んだりする。LAと答えても「いや、つまり、もともとはどこ出身なの?」とか聞かれることが多いし、結局「日本」っていうと、相手はそこでやっと安心するから、はじめから日本っていう場合もあるけど。私はまあ日本で生まれて日本で育ち、そして国籍や外見も「日本人だよ」といえば説明できる範囲だから、まだこの「うんざり」を感じないですんでる方。

でも……。LAにきて出会った人々。日本育ちだから日本文化バリバリだけど両親はベトナム人なとか、在日韓国人とか、それに、香港で生まれたけど生まれた直後にバンクーバーに引っ越してそれから香港とカナダ半々くらい行き来して、高校はインターナショナルで、大学と仕事と国籍はアメリカだけど「自分は中国人」っていう人とか。そういう人たち(こういうのって決して「極端な例」を挙げてるわけじゃなくて本当に回りにざくざくいるのね)にとっては「どこ出身?」っていう質問は、軍隊家庭育ちの人と同じくらいストレスのたまるものかもしれない。

更に広げるならば、セクシュアリティティについての質問にもこれはこの無意識の無礼さやうんざりする感じというのはあるだろう。当然のようにこちらがヘテロであることを前提とされた会話が続くのは苦痛だし、それを止めるためにカムアウトすればしたで、また結構うんざりしてしまうことはたくさんある。子どもがいるの?いないの?とかそういう質問が苦痛な人もいるだろうし、当然恋愛するものとか、当然パートナーは一人だろうとか、そういう前提に基づいた質問が苦痛な人もいるだろう。

「何人?」とか、「どこ出身?」とか「彼氏いるの?」とか誰かにとっては単純極まりないかもしれない。でもこういう質問に、シンプルに答えられない、答えたくない人はいるし、そういう状況というのは、今後どんどん増えてくることだろう。それを覚えておくことはとても大事。そういう可能性を頭にいれてるのといれてないのでは、コミュニケーションのやり方も全く違ってくる。

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  • 2012/02/22
鍵コメさんへ
コメント、どうもありがとうございます★
  • 2012/03/13
  • イチカワユウ
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