レズビアン映画制作の裏で揉め事(2) POWER UPが起こした同性セクハラ騒動

『ガールトラッシュ』はなぜこんなにもめてしまったのだろうか?ステイシー・コディコウとPOWER UPについてさらに調べていると、昔の事件を発見した。

※POWER UPは、エンターテイメント業界にいる女性のための非営利団体で、エンターテイメント・アート・メディア業界におけるゲイ女性の可視化をすすめるために活動をしている。ステイシー・コディコウは創設者。
POWER UP創設の翌年2001年に、創立メンバーの一人のカレン・ピアーソン=ブラウンが、同じく創立メンバーのステイシーにセクシャル・ハラスメントを受けたとして裁判を起こしているのだ。「同性セクハラ裁判」のはしりだ。

訴えたカレンの言い分によれば、ステイシーは性的なコメントやEメールを送りつけてカレンを誘惑し、パートナーとの性生活について尋ねたりしたという。さらに、カレンがバイセクシャルであることを知ると「POWER UPはレズビアン団体なので、男とつきあうならばメンバーにはなれない」として辞任を迫ったのだという。

これに対してステイシーは「望まれていない性的な誘惑をしてきたのはカレンの方」「カレンはわたしの自宅で二度も洋服を脱いで誘惑してきた」と逆に裁判を起こした。

お互いの主張を読んでいて、つくづくうんざりしてしまった。結局裁判は和解で解決したようで、真相は藪の中。雑誌『アドボケート』誌の記事によれば、この裁判によって、コミュニティが二分されたことがわかる。

The Advocate Google ブックス


その引き裂かれる気持ちはわたしにも理解できる。わたしはアンジェラ・ロビンソンやジェイミー・バビットなどが好きなのと同時に、POWER UPをエンターテイメント業界で活躍する女性を支援する唯一の存在としてとても尊敬してきた。『D.E.B.S』の元となった短編もPOWER UPだし『Itty Bitty Titty Committee(邦題:ちっちゃなパイパイ大作戦! )』などPOWER UPから生まれた好きな作品はある。

POWER UPを尊敬し、彼らの仕事の重要性を認識しているからこそ、そのプロデューサーがこんなスキャンダルを起こしていたなんていう疑いは認めることが辛い。レズビアン業界はとても狭く、また同じ業界で働く同士となるとさらに世界は狭くなる。だから色恋沙汰を含めた人間関係のごたごたが起こりやすいことは簡単に想像できるが、それにしても、こんな訴えが仲間から出てしまったことに、心底がっかりした。

理想を持って集まったはずなのに。
少数派としての経験があるからこそ、
リアルに理解できることがあるはずなのに。

「他人を尊重し、自分がされて嫌なことはしない」

自らが多数派となり、権力を握れる場にいると、人はそんなシンプルな原則を忘れてしまうものなのか。
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