風景画の好きなわたし、抽象画の好きな彼女

Fionaは変な趣味があり財布を集めるのが好き。ブランド財布とかではなくて、安い財布なのですが、何十個も持っていて、気分によって使い分けているようです。また、自分で財布を作るのも好きなようで、一枚のレターサイズの紙を実に器用に折り込んで、ノリもテープも使わないで紙の財布を作ってしまう。薄っぺらい紙の財布は、クラブの中にクレカと身分証明書だけ持って入るような時に実に便利。わたしももらって使っています。その財布の表面に、彼女は自分の好きなアートの画像を貼り付けたりしているのですが、それが、直線と幾何学模様が組み合わさった、抽象的なデザインなんです。
「この絵が気に入ったの」
「誰のだろう?」

その時、何も考えないで「カンディンスキー?」って聞いたんですが彼女は「違う」と即答。思えばなぜその時カンディンスキーという名前が出てきたのかわからない。特定の絵のイメージが頭にあったわけでもないし、確信があったわけでもないので「違う」と言われてすぐにあっそうなんだなと思った。

「ブラック?」

でも違うらしく。
後誰かいたよね。誰だっけ。
ブロック?ポロック?
誰なんだ。

まぁ、適当にネットで拾った画像だったらしいので、ふうん、ってそのままになってたんです。

さて先日彼女と一緒にLACMAに絵画展を見に行きました。表現主義をテーマにしたものだったんですが、印象派っぽいの、フォービズム、キュビズムまで網羅したもので、そこにカンディンスキーが具象画描いてる絵が数点ありまして。わたしの好きな感じだったんですね。シンプルな形と、ドラマティックな色彩。ちょっと野獣派的で!で、わたしは「あっ、カンディンスキーってこんな絵描くんだ!」とちょっと驚いたんです。それまで自分の頭の中にどんなカンディンスキーの絵を思い浮かべていて「驚いた」のかはよく覚えていないんですけど。とにかく、ふぅん。って思って。(全然彼女の財布のデザインとは違うじゃん!)と笑ってしまったんです。

「どの絵が一番好き?」

その展覧会には、有名なゴッホとかゴーギャンとか、あとわたしの好きなヴラマンクやセザンヌの絵もあったんですが、結局わたしが一番気に入ったのはカンディンスキーの風景画でした。

それに対して、彼女はもっと後の時代のアブストラクトな作品を気に入っているらしく、

「こういうのが好きなの」

財布をひらひらさせながら言いました。わたしは完全に抽象画になると、インテリアとかデザインとしては好きなのけど、「絵画」としては愛が薄れてしまう。モチーフがうっすらわかる初期のキュビズムとかはすごく好きです。展覧会で彼女もわたしも二人共気に入ったのは、ドローネーのエッフェル塔の絵でした。それから、なぜかレズビアンをモチーフにしたような作品もいくつかあり、それも気に入っていました。風景画と静物画が好きなわたしと、抽象画と人物画が好きな彼女。結構正反対ですよね。

さて、帰宅後、今日観た作家についてもっと調べようと思い、ふと「カンディンスキー」と検索してみたんです。名前だけは知っていたけど、作風について大きな勘違いをしていたらしいこの作家についてもっと知りたいなと思って。

そうしたら、カンディンスキーってやっぱり抽象画でフィニッシュした人だったんですね。時代によってすごく作風が変わっていて。ドラマティックで大胆な筆致の初期の具象画から、後期は、ガラッと、静謐で計算され尽くしたカラフルではあるけれど落ち着いた色彩の抽象画へと変貌を遂げているんです。ドラスティックな作風の変化に驚きを覚えながら、紹介されている画像を見ていくと……「あっ!」それは彼女の財布にプリントされている抽象画でした。やっぱりカンディンスキーだったんです。

わたしと彼女は一見好きな絵のテイストは違うように見えて、実は同じ画家の絵が好きだったんです……。なんか運命を感じてしまいました。

あっノロケです。すみません。美術館って、やっぱりいいですね。気持ちが落ち着くし、発想が広がる。無意識のうちに型にはまっていた自分に気づうことができる。もっともっとよく行くようにしたい。
関連記事
スポンサーサイト
にほんブログ村 セクマイ・嗜好ブログ 同性愛・ビアン(ノンアダルト)へ 👈応援クリックお願いしますm(__)m

comment

comment form
公開設定

trackback


→ この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。