【ネットの中立性を求める草の根運動】インターネット・スローダウン



今日(9月10日)、わたしのブログか、または他のウェブサイトにアクセスした時、「インターネット・スローダウン」という謎の表示を見た人がいるかもしれない。

これは、アメリカで行われていたインターネットの中立性を巡るための草の根抗議活動「インターネット・スローダウン」の一環だ。


「いつまで経ってもローディング中」のマークを示すことで、今インターネットサービスプロバイダーの大手が目指そうとしている制度に抗議しようとしている。

コムキャスト、タイム・ワーナー、AT&T、ベライゾンなどの巨大インターネットサービスプロバイダーは、インターネットを二層構造にし、データの内容によって、優先的に届けるものとそうでないものを区別しようしている。

これは、「ネット中立性」という、これまでインターネットの基本的な原則とされてきたものと抵触する。

ネット中立性については賛否両論であり、それを法で義務付けるかには議論がある。しかし、ネットに中立性があるといつことは、国や巨大企業の「検閲」や接続を遅くするなどの妨害されずにデータにアクセスするために必要不可欠なものだ。

アメリカの話じゃんと思ってはいけない。世界中のインターネットアクセスのほとんどがアメリカ経由で行われるため、アメリカでどのようにインターネットが規制されるかは、アメリカ以外の全世界にも大きな影響を及ぼす。

オバマが任命した連邦通信委員会(FCC)の委員長トム・ウィーラーは、今年、これまでの「ネット中立性」のためのガイドラインを大きく変更し、巨大なインターネットサービスプロバイダーがこのようにインターネットを「優先レーン」と「遅いレーン」の二層に分けることを許容するよう提案した。

例えば、ビデオストリーミングサービスのネットフリックスなどは、多くの帯域を使うため、プロバイダーのトラフィックのほとんどを占めたりすることが問題となった。もし「二層のインターネット」が現実になれば、ネットフリックスは、割り増し料金を払うことで、自社のコンテンツを優先的にユーザーに届けられる。

ネットフリックスの「ローディング」で困っているユーザーにとってはよい話に聞こえる話かもしれない。←楽しみにしてる番組がローディングばかりだと結構ストレスたまる。

しかしこれは、まず市場の健全な競争という意味ではよくないかもしれない。例えばネットフリックスのライバルとなるスタートアップが出てきて、でもまだ小さいこの会社がインターネットサービスプロバイダーに対して使用料金を払えない場合、彼らのデータはあまりインターネット上で届けられず、人々はこの新しいサービスを利用しにくくなる。結果、既存の巨大企業がどんどん強くなる。

実は、これは現実に起こっている話だ。ネットフリックスは、コムキャスト・AT&T・ベライゾン・タイム・ワーナーに「有料優先」料を払うことで合意している。それに対して、ネットフリックスのライバルであるスタートアップ「VHX」は懸念を表している。

「私たちのライバルであるアップル、アマゾン、グーグル、そして、ケーブル会社は、こういう「優先レーン」の使用料金を払える、私たちにそんな余裕はない」

二層インターネットの問題点は、中小企業が差別されるだけではない。大企業による「検閲」も問題だ。インターネットサービスプロバイダーが、労働組合についてや都合の悪いウェブサイトをブロックしたり、公に見せないようにすることができるようになってしまう。

これも既に現実で既におこっている。カナダのインターネットサービスプロバイダーTelusの従業員が2005年にストライクを行った時、一人のストライキ参加者はストライクを支持するため「Voices for Change」というウェブサイトを作った。Telusは、このウェブサイトへのアクセスを遮断した。問題が全国的に報じられるようになるまで、この「検閲」は続いた。

インターネット・スローダウンを呼びかける活動家たちは、これらの事例が日常的にならないために、ネットの中立性をより厳しく制限することを求めている。



しかし、「ネットの中立性」には難しい問題もある。ネットの中立性を徹底した時の不公平さだ。わたしも、ネットの中立性は保障されるべきだと思う。例えば、独裁者が都合の悪い情報を流さないのには皆反対するだろう。それと同じことを企業がするのも反対だ。

しかし同時に、インターネットのリソースが無限ではないのもまた現実。「ネットフリックス」的な動画のストリーミングサービスや、スカイプなどのサービスが、通信リソースを圧迫しすぎ、インターネットサービスプロバイダーはブロードバンド通信を可能にするための設備投資で苦しんでいる。こうして可能になったインフラを前提としてビジネスをするコンテンツプロバイダーに対しては、ネット通信の「ただ乗り」という批判がなされている。

リソースを多く使うなら、その分多く料金を支払うべきだと考えるインターネットサービスプロバイダーが、ネットフリックスなどの、「帯域食い」のサービスプロバイダーに対してより大きい負担を要求するのは、いわばまっとうな感覚ともいえる。一部のインターネットサービスプロバイダーが、P2P通信など一定の通信の優先度を下げていたこともネット中立性との兼ね合いで問題になったが、つきつめて考えると、通信の内容ではなく種類によって形式的に優先度を決めるのは、もしかしたら将来必須になるかもしれない。

一応、インターネットスローダウンには参加したのだが、「ネットの中立性」をめぐる問題について、いろいろ考えさせられた一日だった。
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